オンライン学習中のふるまいをAI分析、受講および授業の質をアップ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが宣言された。世界では様々な感染対策がとられていて、日本においては「3密(密閉・密集・密接)」回避のために、各種情報技術を活用した「オンライン○○」や「リモート○○」が新常態として定着しつつある。

全国の学習塾や学校すなわち教育機関では、分散登校やオンライン授業の導入が進んでいる。企業においてもテレワークや時差出勤などが推奨され、新人研修をはじめとした社員育成の場も多くはオンライン対応とされている。自宅などで受講するオンラインクラスはしかし、教室での授業と異なり、教師や講師にとっては個々の受講者が集中して聞いているかを把握しにくい、弱点があるという。

世界をビッグデータ×人工知能(AI)で進化させる、ユーザーローカルは今月24日、オンライン授業を受けている生徒の集中度を測定するAIを開発したことを発表。これにより、教師は生徒一人ひとりの様子を定量的に把握できるようになるという。新たなしくみは、オンライン授業ならではの特性を活かして各受講者の集中度や関心度合いを可視化することで、質の高い授業の実現を支援する。

学生・生徒側のWebカメラ/スマホカメラ映像をもとに授業への集中度を判定するディープラーニング技術を実装した。今回のAIシステムは、既存のオンライン授業配信システムにJavascriptタグを埋め込むだけで、手軽に集中度を計測できるようになっている。ディープラーニングによる視線予測、表情認識、姿勢推定、物体検出、人物検知を組み合わせて受講者の様子を統計的に観測する。

プライバシーに配慮し、顔部分をマスキングすることも可能である。AIシステムで得られた集中度データをもとに、授業態度と成績との因果関係や、教師・講師別の特徴(授業の満足度)の調査ができる。「集中力が続きやすいタイプか」などの個性把握にも役立てられるという。