2025年、日本国内を巡る無人運航船の実現へ

日本の長期的課題として近年、国内物流の約4割を占めている内航海運を担う船員の高齢化、人員確保の難しさが挙げられている。社会経済活動を支える海運インフラの盛衰は、地方経済や関連産業(造船・舶用機器、保険等)に及ぼす影響も大きい。

そのため、国と業界が一体となって、上記課題の解決に取り組んでいる。船の無人化・自動化が解決策として期待されているものの、船陸間の通信環境整備や障害物を瞬時に避けることが難しかったり、莫大な開発資金が必要であったり、技術および経済的事由により、無人運航船の開発は従来ほとんど行われていなかった。我が国には、IoT・AI・画像解析など世界的にも評価の高いテクノロジーがある。

それらの技術を持つ複数の企業が共同して、無人運航船にかかる技術開発を飛躍的に進められる可能性があるという。NTTと、日本郵船の戦略的子会社MTIは、日本財団がハブの無人運航船の実用化プロジェクト(DFFASプロジェクト)を通じ、世界初となる輻輳海域での無人運航船実現に向けた実証実験を実施するため、共同研究契約を締結した。

両社は海事産業のイノベーション創出をめざし、各々が持つ技術および研究開発成果を組み合わせた共同実験に'17年より取り組んできた(ニュースリリース)。そして今回、国内22社で構成されるDFFASプロジェクトのメンバーとして、無人運航船の開発に貢献するため、「船舶向けコンテナ配信技術」「船上、および船陸間の通信制御技術」「船陸間の無線通信・端末技術」をテーマに、要件の洗い出しと技術課題の解決を図っていく。

MTIは無人運航船の実現に必須となるシステムのコンセプト設計、関連技術開発・検討をおこない、NTTはIOWN構想における技術の適用を検討する。それぞれの強みを活かし、DFFASプロジェクトがめざす無人運航船がつくる未来の可能性の提示に向けて、共同研究開発に取り組んでいくという。