設備の稼働管理に要するデータの収集、可視化、変化監視、状態診断、通知などを一手に担えるスマートなシステムを、ユーザーが自ら開発、構築、運用することは技術とコストに加え、時間の負担が大きい。そのようなシステムを導入する企業は多くないのが現状だという。東京エレクトロンデバイス(TED)は、工場設備の状態監視を容易に実現するAIを活用した予知保全プラットフォーム「CX-D」を開発。これを今月16日に発売した。
同プラットフォームは、予知保全に必要な機能をシステムとして一つにまとめ、工場現場で設備状態の監視を容易に実現するものである。工場設備からのデータの収集、可視化、変化監視、状態診断、通知等を行うための汎用的な機能や仕組みを実装しているため、ユーザー企業における開発・システム構築の負担を削減し、自ら素早く工場内で完結したシステムを導入・運用することを具現化する。
「CX-D」は通常の稼働状態を学習し、工場設備の稼動状態の変化を警告指数としてとらえて検知するAI技術を標準実装している。工場設備の最適な閾値での変化監視と、TEDが現在提供している判別モデル自動生成マシン「CX-M」で生成した分類モデル、多値モデルを使った状態診断により、さらに精度の高い予知保全ができる。
装置(PLC)やセンサーからのデータ収集を集約し、AIを活用した複数設備の変化を常に定量的に監視することが可能になるという。TEDは、23日に予知保全システムCXプラットフォーム紹介ウェビナーの再開催を予定していて、工場設備の知能化とモノづくりシステムの開発を加速し、製造現場の課題解決を図っていく構えだ。