ローカル5G、次世代物流センターの実現に向けて

労働人口の減少、インターネット通販による多頻度小口配送の増加、リードタイムの短縮化への対応が求められている。物流業界においては日々、物流プロセスの複雑化・高度化との闘いを強いられている。さらに、新型コロナ禍の影響を受けている。

国内の物流現場では現在、感染予防徹底に対応したデジタルソリューションの導入や、省人化に向けた機械化・遠隔操作等の必要性が高まっているという。東急不動産NTT東日本PALは今月15日、物流倉庫業務のスマート化に向け――デベロッパーを含めた枠組みとしては初となる――ローカル5G環境を物流倉庫に整備するプロジェクトの開始を発表した。

NTT東日本×東京大学による「ローカル5Gオープンラボ」にて最適化したネットワークインフラを標準実装とするなど、物流倉庫業務のデジタル化を推進するための関連サービスの事業化を目標に、3社で連携して取り組んでいくという。フィールド実証実験では、東急不動産「LOGI'Q」施設内に複数のIoTソリューションを装備し、人や機械、環境などのアナログ情報をデジタルデータとして収集・分析する。

作業スタッフの倉庫内の動線や生産性の把握、危険予知、自動検品、設備管理、スタッフの作業管理など、物流倉庫業務の自動化を実現するソリューション作りをおこなう。実証実験は「業務の見える化」「自動運転・遠隔制御」「デジタル化によるスマート管理」がテーマであり、たとえばカメラやウェアラブル端末による作業管理・生産性の向上、各種センサーによるマテハン機器の稼働状況や倉庫内環境の可視化をめざす。

5Gの高速・低遅延を活かして複数の自動搬送機を高い精度で自動制御したり、遠隔操作機器によって作業工程を半自動化したり、エッジコンピューティングにより人とモノと現場のデータを処理して一元管理することなども実証する。3社は共同して、「次世代物流センター」の構築をめざしていく。