英会話学習をVRで、74%の生徒がその効果を認めた

IT(情報技術)の浸透がさまざまな仕組みをより良い方向に変えていく。デジタルトランスフォーメーション(DX)が産業界で実践されつつある今、それは新型コロナ禍をきっかけに、教育分野においても一層注目されている。

DXにより教育現場を革新する「Smart Education」の実現を「まなびポケット」などを通じて推進――。ビジネス領域においてはVR(仮想現実)を用いた実地研修により、生産性の向上や業務の品質改善(ソリューション例)に貢献してきたという。NTT Comは、VRを始めとした仮想空間技術"xR"(クロスリアリティ)を活用し、企業、学校などでのあらゆる活動を非対面で仮想的に実現するxRビジネスを本格展開する。

その一環として今年2月、同志社中学校の協力の下、VR学習の有効性に関する実証実験を行った。生徒12名×2グループの構成で、入国審査やレストランでの注文など、留学や海外旅行で必要となる英会話を学習した。実地試験の結果を、専門家の知見を得ながら分析したところ、VR学習は従来の学習に比べ、生徒の習熟度が高くなることが今月確認されたとした。

一方のグループはスクリプトと音声教材で学習し、他方は、VRを活用し現実さながらのコミュニケーションを体験。そのあと各グループの生徒に理解度テストをして、ネイティブスピーカーと英語教諭が習熟度を5項目で評価し、グループ間の差異を比較すると、VR学習グループは「レスポンス」「発音」「正確性」「理解力」で従来型学習グループよりもスコアが上回っていた。「正確性」は約10%も高かった。

VR学習体験アンケートでは、約74%の生徒が効果ありと回答。「本当にそこに外国の方がいるようで、理解度テストではあまり緊張しなかった」などの声が挙がっていたという。同社は今後、xRを用いて、ウィズコロナ・アフターコロナにおける最適な働き方・まなび方を提供していく構えだ。