高効率ウエアラブル端末による社会的距離の検知や追跡に向けて

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行を受けて、国内外では、人と人が互いに安全な社会的距離(ソーシャルディスタンス)を保つことが強く推奨されている。ウイズコロナで経済活動を再開しても、ソーシャルディスタンスおよび新型コロナ対策の必要性は微塵も変わらない。

今月8日、STマイクロエレクトロニクスは、あらゆる環境において人の健康を保護するための接触者追跡や、ソーシャルディスタンスの監視、遠隔オペレーションなどを確実なものにする、小型でコスト効率の良いウェアラブルデバイス向けリファレンスデザインを発表した。同デザインは、BLE SOC、MEMS加速度センサ、Sub-GHz RFトランシーバを活かして拡張性を備えたもの。

正確、高耐性、リモート通知、長いバッテリ寿命といった特徴によって、工場・オフィス・医療機関のような閉鎖空間あるいは屋外で使用するベルトやブレスレットに最適だという。低消費電力ブルートゥースは同社の「BlueNRG-2」SOCと調整可能なRF出力により実現され、上記リファレンスデザインは、単一強度の近距離ブルートゥース非接続ビーコンと、リアルタイムにて、接近度合いの計算を行えるようにする。

当該回路は、他のビーコンが近く(調整可能な範囲内)に侵入したときや、干渉があったときに警告を発するようにでき、スマートフォンや5Gネットワークとの接続断時にさえ、それに備えて操作ができる。基本リファレンスデザインは、超低電力RFトランシーバ「S2-LP」を用いることによって、Sigfox "0G"グローバルネットワーク経由でのタグ・クラウド双方向通信を可能にしている。

プライベート・匿名タグの展開・通知を許し、緊急警告の相談窓口等への反映ができる。同デザインは、加速度センサにより人の動作とシステムのオン/オフを連動。ビーコンデータの内外メモリ格納も可能とされている。