投資用区分マンションをAIでマッチング、不動産仲介の高度化へ

さまざまな先端技術を活用してサイバー空間とリアルを融合する「超スマート社会」の幕が開けようとしている。現在の高度な情報社会においては、不動産取引に対する顧客ニーズも多様化していて、老後資金の確保などを目的とした不動産投資ニーズが高まっているという。

東急リバブルNECは今月11日、最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つ「異種混合学習」などの機械学習技術を活用して、投資用区分マンションと購入希望客をつなぐマッチングシステムの開発に着手した。今年11月の稼働開始を予定しているという。同システムに活用する異種混合学習技術は、多種多様なデータの中から精度の高い規則性を自動発見し、その規則に基づき状況に応じた最適な予測を、説明可能なかたちで行う。

ホワイトボックス型AIによるシステムを導入することで、顧客体験(CX)向上などもめざす。東急リバブルは、主に東京23区を対象とする投資用区分マンションを専門に扱うチームを'14年に創設。これまで、5年を超えるコンサルティング活動を行ってきた。そこで蓄積された実績とノウハウをベースに今回、顧客に投資用区分マンションを推奨しマッチングするシステムを開発する。

様々な投資マーケットにおけるサポートツールが進化するなか、不動産投資分野においても、上記システムのAI技術によって個々の顧客にパーソナライズされた高品質な情報を、営業担当者を通じて迅速に提供することが可能となる。そして購入希望客は、よりフィットした物件情報の中から投資対象を選択できるという。

両社は、東急リバブルが保有する物件データ(築年数、利回り、駅距離など)や顧客データ(希望条件や資金計画など)に基づき、AI技術を用いて物件のおすすめ度をスコア化する予測モデルの開発に成功。これを評価した結果、営業担当者が行う物件選定と遜色ない高精度なモデルであることも確認されているとのことだ。