金融機関においてそれは、大量かつ多様な書面が残る業務となっていて、大きな人的負担が課題となっている。行政機関にとっても郵送コスト負担の他に適時回答を得られないなど、改善の余地が大きい。そこで'18年1月閣議決定された「デジタル・ガバメント実行計画」に、個別サービス改革として「預貯金等の照会」効率化が盛り込まれた。
政府の動きを受け、かつ電子化による効果や運用性の検証をおこなった結果に基づき、NTTデータは昨年2月から預貯金等照会業務の電子化サービス「pipitLINQ®」を提供。そして今月12日、NTTデータ東北と東邦情報システムは、福島県、福島市、郡山市にて同サービスの本格運用を4月から行っているとした。県と市は昨年度下期からの試行運用によって、効果の確認や業務ルールの整備等にめどを立てていたという。
福島県では東邦銀行、福島銀行、大東銀行が参加している。pipitLINQは全国統一型のサービスであり、行政・金融機関の双方がこれを導入することで、電子データによる預貯金等照会が可能となる。書面を取り扱う人的負担や郵送コスト、回答のタイムラグが大幅に軽減され、迅速かつ適正な業務の実現につながる。
行政機関へはLGWAN-ASPサービスとして、金融機関向けにはAnserDATAPORT®の関連サービスとして提供するなど、既存のしくみを最大限活用し、紙での情報授受よりも高セキュアかつ低コストのサービスを実現している。NTTデータ東北と東邦情報システムは、pipitLINQの福島県全域への展開を目指してこの取り組みを一層強化し、行政機関・金融機関双方の業務効率化に貢献していく考えだ。