建設現場の様々なICTツールを仮設分電盤で一括管理する

様々な産業分野でデジタル化を加速する。生産性の向上や、旧来の仕組みにおける課題解決を支援する、ICT(情報通信技術)のなかでも、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の活用はいま、建設業界においても大いに期待されている。

今月9日、竹中工務店は、建設現場をIoT化するプラットフォーム「TSUNAGATE」を開発したと発表。同プラットフォームは、インターネット接続を可能にした仮設分電盤を介し、建設現場にネットワーク(無線LAN)環境を構築することで、様々なICTツールをクラウド管理システムにつなげて一括管理できるものだという。

工事用電力を供給するためにある仮設電源線を用いて通信をおこなえる。「TSUNAGATE」により、ネットワークカメラやデジタルサイネージなどのICTツールのために別途通信線を用意する必要がなくなる。それらのICTツールの一括管理、照明の遠隔制御、センサー情報の収集など、建設現場におけるIoT化を可能にする。

ネット接続可能な仮設分電盤「TSUNAGATE BOX」を設置することで、自動的に建設現場内に無線LAN環境が構築される。同分電盤に搭載されたPCには、照明や電子看板、センサーなどを制御する機能をインストールできる。IoT機器の集中管理用クラウドシステム「TSUNAGATE CLOUD」に繋がる、建設現場内の全ての仮設分電盤に導入された機能は、職員や作業員がPCやモバイル端末で一括監視・制御できる。

「TSUNAGATE」は独自のIoT分電盤とカディンチェ社のクラウド技術との連携により実現したものだという。竹中工務店は今後、TSUNAGATEシリーズのラインアップを拡充し、建設現場におけるIoT化による省人化・生産性向上を目指す。日建リース工業をはじめとするレンタル会社による建設業界への展開を行い、あらゆる建築現場に適用可能な体制づくりも進めていく構えだ。