警備業界では、大型イベント等の影響や少子高齢化による労働力不足の影響により、生産性アップも課題になっているという。ALSOKは今月、通行車両の移動方向を検知するセンサーと工事用信号機を無線で融合した、交通誘導業務の品質と生産性の向上に寄与する「ALSOK交通誘導システム」を埼玉県・群馬県・福島県で販売開始した。3県に続いて販売エリアを順次拡大していく。
一昨年3月からの試行運用の結果、その有効性が確認できたため発売に至ったという。同システムは、実際の交通誘導員が行う判断手法を搭載していて、制御装置が工事区間内を安全と判断しなければ進行指示(青信号)を出さない。誘導無視(信号無視)発生時には、即座に反対車線へ停止指示(赤信号)と警報を出力することで、後続車の進入を抑止する。
交通誘導システムは、「工事エリアの入口と出口等に設置し、交通誘導員の一部を削減した交通誘導が可能」「信号機およびセンサーを使用して通行車両を自動で誘導」「工事エリアの通過車両台数をカウントし、エリア内の残留車両を確認」「工事エリア内に入った工事車両等がある場合、工事エリアから出ないと信号機が切り替わらなくなるため、リモコンによる遠隔操作にて対応が可能」といった特長を備えている。
適用環境としては、①片側一車線道路における片側交互通行工事、②工事区間内に歩道、横断歩道、踏切、交差点、信号機を含まないところが考えられる。検知車両は小型車~大型車の四輪(牽引車を含む)、自動二輪、自転車であり、構成機器の設置スペース確保が求められるものの、工事区間に脇道がある場合はオプション機器を追加することで対応可能だという。