オンライン診療、色基準によって受診時の顔色などを適正化する

医療機関へ行くこと自体が感染リスクとなる。新型コロナウイルスの蔓延により、オンライン診療の需要が急速に高まっている。日本では厚生労働省が2月28日に再診以降のオンライン診療や処方を許可。4月10日には初診についてもオンライン診療が許可された。

オンライン診療ではしかし、患者が自宅などで撮影する画像に課題がある。スマートフォンやタブレット端末などのカメラ性能や、撮影時の光の影響などによって色や明るさが異なるため、医師のパソコンで多くの患者の画像を一定水準の色調で確認することが困難であったという。DNPは今月5日、オンライン診療向けに「画像補正サービス」の提供を開始した。

同サービスでは、患者が自宅から出ることなく、1cm角程度の小さいカラーチャート「CASMATCH」(販社:ベアーメディック)を頬などに貼って撮影すると、専用サーバーがCASMATCHの色を基準に画像の色調を調整する。病院にいる医師はパソコンに表示された画像、すなわち患者の顔色や患部の色などを適正に見て、診断に役立てられる。医師がパソコンでサイズを補正することも可能である。

長年培ってきた"正しい色を再現"するノウハウを活かし、テレビやデジタルカメラなどの色の基準となる「テストチャート」をはじめ、画像補正のモジュールやソフトウエアなどを提供してきた。また、従来のHDTV放送方式の国際規格BT.709から、高精細画像4K・8Kの新国際規格BT.2020に対応したテストチャートの開発も完了している。これらの色補正に対する長年の経験とノウハウを活用しているという。

「画像補正サービス」について、DNPは、専門的な医療知見と充実の医療ネットワークを有するMICと共に、オンライン医療に関する国際標準化を進め、同サービスの質の向上と普及を加速。医療機関でのオンライン診療サービスの運用をサポートしている企業などへ提供していく考えだ。