うちのエネファームでバーチャルパワープラントを実証

東日本大震災をきっかけに、再エネの導入や、省エネの強化のみならず、電力の需給バランスに基づくエネルギー管理の重要性が強く意識されるようになった。そして、天候等によって発電量が左右される太陽光発電や風力発電などでの課題が浮き彫りになり――

集中電源に依存したエネルギー供給システムの見直し機運も高まった。需要家側での分散型エネルギーリソースの普及が進み、需給バランス調整に活用でき、あたかも一つの発電所のように機能する「バーチャルパワープラント(VPP)」の実現が期待されている(参照:資源エネルギー庁Web)。

今月1日、関西電力日本ユニシス住友電工パナソニック東京ガスは、ソーラーパネル付家屋に設置されたパナソニック製PEFC家庭用燃料電池「エネファーム」活用によるVPP実証を5月29日に開始したと発表。東京ガスの都市ガス供給エリア内における"卒FIT"顧客を対象に、太陽光発電の発電量・需要予測システム、エネファーム遠隔制御システムを構築する。

太陽光発電設備とエネファームを組み合わせ、自家消費も考慮した最適なエネルギーマネジメントを目指すという。5社は、太陽光発電の発電予測システムおよび需要予測システムにより、顧客の翌日の需給バランスを予測し、太陽光発電のみで家庭内需要を賄うことが予測できる時間帯において、エネファームを停止させ、太陽光由来の電気をより多く家庭で使用してもらう。

実フィールドにて電力取引を想定した指令に基づく制御を行い、上記しくみの検証およびエネファームのVPPリソースとしての技術的な評価を実施する。実証システムの構築に、資源エネ庁の「令和2年度需要家側エネルギーリソースを活用したVPP構築実証事業費補助金」を活用する。5社はエネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスの可能性を広げることで、エネルギーを効率的に活用する社会の実現に貢献していく構えだ。