設置が容易で院内感染を防ぐ、コンテナ型CT室の導入を進める

国民皆保険制度のもと、日本ではいつでも誰でも平等に質の高い医療が受けられる。このことを強みとしていても、コロナ禍の拡大により――感染した患者も一般患者と同様に受診できるため――ほぼ全ての医療機関にて、院内感染の予防が急務となった。

異なる動線の確保に加え、使用する医療機器の消毒が求められるなど、運用面での負担は高まるばかりである。医療現場はひっ迫した状況だという。GEヘルスケア・ジャパンは5月29日、長期化する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の一環として、「CT in Box(コンテナ型の簡易CT室)」を提供していることを発表した。

すでに世界で100台以上の機器が稼働(海外事例)していて、日本においてもCOVID-19の更なる長期化を見据えて導入が進められている。CT in Boxは、プレハブを遮蔽仕様にしたコンテナ形式で、隔離された場所での設置が可能――。患者や医療従事者の動線も専用に隔離できることから、他人との接触を抑えられ、院内での新型コロナウイルスの感染対策として活用できるという。

医師会の先生方の要請に速応するために、PCR検査よりも早く結果が出るCTを待ち望んでいた。院内感染を排除し、迅速にCT検査を行えるシステムと考え、高崎市の全面的な支援をもらって「CT in Box」導入に至った。ウイルスとの共存が続くことが予想されるなかで、今後とも一緒に医療現場の課題解決に取り組んでいければ――と、高崎総合医療センターの画像診断科部長である根岸幾先生がコメントを寄せた。

GEヘルスケアでは、世界的なCOVID-19拡大を背景に、なかでも重症者の把握や対応などにおいてCT検査が重要な役割を果たすと言われているために、各方面から多数の要望をもらっていた。日本でも、国内に持つ製造工場を活かし、CT in Boxを最大限供給できるよう課題解決に取り組んでいく構えだ。