世界初!低軌道衛星MIMO技術等を実証

宇宙基本計画における「宇宙システムの基幹的部品等の安定供給に向けた環境整備」。その一環として、企業や大学などが開発した機器や部品、超小型衛星、キューブサットに宇宙実証の機会を提供する。「革新的衛星技術実証プログラム」を通じて――

未来を拓くミッション、産業競争力のあるシステム/サブシステムの創出に繋がる技術・アイデアの実証を行う。そして、リスクが高くとも日本の宇宙技術の発展と宇宙産業の国際競争力の確保で大いに成果が期待される「革新的」な技術を優先的に取り上げ、実証を行う。JAXAは2年に1回、計4回の打上げ実証を計画していて、実証テーマは通年公募を行っている。

同機構の革新的衛星技術実証3号機向けテーマ公募に対して、NTTは、「衛星MIMO技術を活用した920MHz帯衛星IoTプラットフォームの軌道上実証」で応じて採択された。このテーマでは、世界初の「低軌道衛星MIMO技術」の実証、および「衛星センシング技術」の実証に取り組むという。MIMO(多重入力&多重出力)は無線送信機・受信機の双方で複数のアンテナを使い、通信品質を向上させるための技術だ。

低軌道衛星ー地上間通信の大容量化、超広域衛星IoTプラットフォームの実現に向けた2つの要素技術――低軌道衛星MIMO技術および衛星センシング技術について、小型実証衛星への搭載性を勘案し、スケールモデルを用いて衛星軌道上での技術実証に取り組む。

同社は今後、上記要素技術の検討・検証、衛星搭載装置の設計・開発等、'22年度の小型実証衛星打上げ、および'23年度にかけての技術実証実験に向けて、引き続きJAXAと協力('19年ニュースリリース)しながら、低軌道衛星ー地上間通信の大容量化(伝送速度20Gbps超)、地上通信網の未整備エリアを含む全世界あらゆる場所における低コストでのセンシング(超広域衛星IoTプラットフォーム)の実現をめざすという。