スマート農業、効率的な水稲栽培管理の支援システム実現へ

高齢化が進み、農業の担い手が減少している。日本において、農業経営体の数は減少傾向にあるが、大規模農家や集落営農組織などの法人経営体は年々増加している。

農業経営体数等の動向」を示す一方で、ロボット技術やICTを活用して超省力・高品質生産を実現する「スマート農業」を農林水産省が推進している。近年、気候変動への対応も求められる。いずれの農業経営体であっても、農作物の生育は、作物それぞれの生育状況をきめ細かく把握しつつ、栽培管理を行わねばならないという。

NTTデータ神明ホールディングスは、効率的な栽培管理支援による収穫量の増加と品質の安定化の実現を目的に、「水稲ナビゲーションシステム(仮称)」の開発と実証を開始した。水稲栽培における生育予測の精度検証を2年間おこなう。同システムは、環境データやメッシュ気象予測データ等を入力することで、圃場ごとの生育を予測し、予測結果に応じた時期に必要な農作業の通知を行うものである。

農業生産者は圃場ごとに効率的な実施計画を作成でき、適切な時期に必要な作業を実施して収量と品質の安定化が図れる。水稲ナビゲーションシステムの構築と実証環境を前者が提供、後者が実証圃場の提供および実証を担い、両社で実証の分析を行う。NTT(持株会社)も協力し、生育診断ソリューションをNTTデータCCSが提供し、水位・水温などの環境データを遠隔取得する"tukumo"の提供でAmaterZが協同する。

AIと画像解析技術を活用し水稲の生育ステージを診断する「生育診断ソリューション」の精度アップに向けた取り組みも行う。営農支援プラットフォーム「あい作®」で蓄積された営農データと連携しての利用や、他の営農支援ソリューション等とのAPI連携も想定しているという。上記システムの提供を通じて、NTTデータと神明は、農業の効率化、収量と品質の安定化に向けた取り組みを推進していく。