RFIDシステムを医療材料の物流管理に活かす

近距離無線通信を用いた自動認識技術をRFIDという。一般的には、ICタグと無線通信によって様々なモノを識別・管理するシステムやその部品のことを「RFID」と呼ぶ。

医療機器業界では今、流通経路や取引形態が複雑化し、メーカー各社での物流管理業務や市場在庫の把握が急務となっている。特に、高度管理医療機器に分類される整形インプラント製品や血管カテーテル・ステント等の循環器製品――医療材料は、医療機関への流通過程にて製品の出荷・返却にともなう検品や棚卸で多大な労力と費用を発生させているという。

村田製作所は、医療機器メーカーや物流事業者などが検品作業や在庫管理の業務効率化のためにRFIDシステムをより手軽に導入できるよう、効果検証などの小規模運用から利用可能な「id-Bridge™」トライアルサービスを開始する。同社の無線環境構築技術や導入支援ノウハウを活かし、医療材料の物流管理に最適なソフトウェアとハードウェアの提供~導入時の現場調整をトータルサポートする。

それにより機器の相性問題や電波の利用環境に左右されない安定したシステム環境の構築を実現する。id-Bridge™は、同社で開発するRFIDミドルウェアのウェブアプリで、顧客の基幹システムと各RFID機器(プリンタ、リーダライタ等)との間でデータ連携を行う。スタンドアロンで稼働可能なため、低コストでRFIDシステム導入効果を検証できる。ミドルウェア内にデータ連携の追加インターフェースを開発することも可能となる。

現場の課題の分析からRFIDシステム導入までを一貫サポートする。上記サービスは、一般的な物流業務や物品の管理に必要とされる基本機能も備えていて、医療分野以外の用途にも広く適応するという。同社は今後もRFIDサービスの開発に取り組み、管理業務の効率化・省人化の実現、過剰在庫や廃棄ロスといった経営課題の解決に貢献していく構えだ。