患者との接触回数を減らしつつ、健康状態のモニタリングや必要な医療の提供を行わなければならず、ICT(情報通信技術)やIoT(モノのインターネット)を活用したしくみの導入が一層求められているという。エムスリー、NTTドコモ、ソニーは、医療機関及び患者向けのICT・IoT活用で協業検討を始める。その第一弾として、仮想現実/拡張現実(VR/AR)等による「入院患者のバーチャル外出支援」トライアルを開始する。
病室でVRゴーグルをかけると、周囲に360度の旅行映像が浮かび上がり、外出しているような気分を味わえるプログラムや、ARでアバター(仮想キャラクター)とインタラクティブなコミュニケーションが取れるレクリエーションプログラムの検討を行う。感染防止のため家族らと直に会えない状況でも、その人たちの映像をリアルタイムでVRゴーグルに映し出すことにより、一緒にいるような感覚を味わえるバーチャル面会システムの検討も行う。
今回の取り組みは、千葉県千葉リハビリテーションセンターでのトライアルを端緒とする。協業に向けた検討は、ドコモとエムスリーが締結した資本・業務提携契約にもとづき実施していたプロジェクトと、エムスリーとソニーが「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」をきっかけとして開始した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策での協業を元に、医療領域における、新たな価値創造を探索するものとして合意に至ったという。
3社は、患者が「病に負けない、人生を輝かせる」ことに貢献するため、互いの力をあわせて検討を進めていく構えだ。