医薬情報をリモートでも提供できるしくみを共同開発

製薬企業によるMR(医薬情報担当)活動の生産性向上、医療従事者における情報収集の効率化が求められている。医薬・医療業界では昨今、IT(情報技術)やWebサービスを用いた取り組みが急拡大している。そして今、コロナ禍への対応が喫緊の課題となっている。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、MRが医療機関への訪問を自粛。対面での情報提供が難しい状況下で、遠隔での情報提供はさらに必要性が増しているという。メドピアは、EPSホールディングスのグループ会社EPフォースと、製薬企業向け次世代型リモートディテーリングサービス(医薬品マーケティングサービス)の共同開発で合意。同サービスを6月にリリースする予定だとした。

メドピアは、医師12万人が薬剤の口コミや症例相談など、多様なテーマで経験やナレッジを共有している医師専用コミュニティサイト「MedPeer」を運営していて、これを製薬企業の新たなディテール(有益情報紹介)コミュニケーションにも利活用してもらうべく、直近では同サイト上に医師とMRをオンラインで繋ぐチャット型のリモートコミュニケーションツール「MedPeer Talk β版」を開設している。

一方、EPフォースは、CSO(医薬品セールス受託契約組織)分野において、豊富な人材提供に加え、個別最適育成システムでコントラクトMR・MSL(医学・科学リエゾン)の活動をサポートしている。プロモーション用資材の審査業務、モニタリング業務など製薬企業のアウトソース先としても多くの実績を有している。

両社が共同開発する新サービスにより、MRやMSLは医薬品の認知度向上から薬剤処方アフターフォローまで、直接またはリモートで、医師が求める情報をタイムリーに提供できるようになる。専用サイト等を持たない製薬企業であっても、必要に応じてネットベースの柔軟な医薬情報提供体制を構築することが可能になるという。