顔と虹彩で機能する、マルチモーダル型"タッチレス"生体認証端末

スマートフォンが普及した。現在、顔や虹彩など人間の身体的または行動的特徴を用いて個人認証するしくみ――すなわち生体認証は、相当身近なものになっている。それはスマートフォンでの本人確認や、施設の入退など、人々の暮らしや社会の中で拡がりをみせているという。

NECは14日、生体認証「Bio-IDiom」の中核技術であり、世界的権威のある米国NISTが実施したベンチマークテストで世界No.1となった顔認証技術虹彩認証技術を組み込んだマルチモーダル(複数の感覚様式でシステムとインタラクションする)生体認証端末を開発したことを発表した。同社はこれまでに世界約70の国と地域に1000以上の生体認証システムを導入している(インドでのユースケース)。

今回開発したマルチモーダル生体認証端末は、世界No.1の認証精度と高い利便性によりさまざまな用途で導入が加速している顔認証技術と、高度な個人識別が可能な虹彩認証技術を統合することで、身体的特徴の多様性への対応を要する大規模システムや、厳格な本人確認が必要な利用環境において、安定した高い精度で高速認証を実現する。

独自開発アルゴリズムにより誤認を防ぐ「他人受入率100億分の1以下を実現する高精度な認証」、ピントや照明を瞬時に自動調整する技術にて「顔と虹彩の一括取得により高速な本人確認を実現」、非接触で「マスクをつけたまま、さまざまなシーンで利用可能」といった特長を備えている。

国や社会などでの大規模人数を対象としたシステムでの活用や高いセキュリティを求めるオフィスへの入退室、衛生面に配慮した服装やマスク着用が必要な食品工場、工場内のクリーンルーム、医療現場での入退室、さらにはATMでの本人確認や店舗での迅速な決済など、さまざまな用途での拡がりが期待されるという。NECはこの端末について、まずは決済や入退室用途での'21年度提供開始を目指している。