安定性を要する様々な環境・機器でセンサ信号をコンディショニング

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」が産業、医療・介護分野、社会インフラや暮らしの仕組みのなかにも拡大中である。いま、IoTの肝は「センシング」にある。機器や設備の稼働、環境や周辺状況、ヒトやモノの流れ等を様々なセンサによって、データとして把握することが主流である。

その半導体回路は長期に渡る安定性が求められる産業、車載、コンシューマ向けの環境で駆動する。微細加工されたセンサ素子は、非線形で非常に小さい信号を出力する――ゆえにセンサ素子開発では、センサ信号を線形化した出力に変換するために特別な技術が必要になるという。

ルネサスは13日、センサシグナルコンディショナ(SSC)ICの新製品「ZSSC3240」を発売した。抵抗型圧力センサや医療用赤外線体温計などのセンサ用途に向け、高精度・高感度・高柔軟性を実現する。新たなSSCは、クラス最高性能・応答性となる最大24ビットアナログ・デジタル変換(A/DC)分解能を特長としている。

柔軟性の高いセンサアナログフロントエンドと、様々な出力インタフェースを持つため、多くの抵抗型および絶対電圧センサ素子での使用が可能となる。ユーザは、単一のSSCデバイスから完全なセンシングプラットフォームの開発ができる。新製品はコンパクトサイズで、産業用圧力伝送器、HVACセンサ、重量計、ファクトリオートメーション機器、スマートメータ、ヘルスケアモニタなど、幅広いセンサ応用機器に最適だ。

プログラム可能で高精度。ワイドなゲイン設定や量子化機能に効率よく高次デジタル補正と線形化を組み合わせて、センサインタフェースの設計と製造を支援する。高性能で柔軟なフロントエンド設定とアナログ出力オプションにより、センサプラットフォームが容易に設計可能となる。ユーザは、SSCにかけるコスト効率も改善でき、幅広いセンサ素子を開発することができるという。