介護現場向けソフトにメディカル・ケア音声入力アプリを標準搭載

およそ10年前に超高齢化社会(65歳以上人口が14%超)になった。日本では昨年出生率が1.42に低下していて、少子高齢化の急速な進行に伴い、介護現場での人材不足が深刻な問題となっている。

そのような状況下で介護福祉士および職員が本来業務の「ケア」に専念するためには、事務作業等の効率化が必須である。なかでも、書類作成業務は負荷が大きいとの声が現場から多く挙がっていて、音声認識をはじめAI(人工知能)やRPA(ソフトウェアロボット)の活用に注目が集まっているという。

アドバンスト・メディアは今月11日、同社の医療・介護向けiOS版音声入力アプリ「AmiVoice SBx Medical」が、NDソフトウェアの介護ICTソフト「Care Palette」に標準搭載されたことを発表した。NDソフトウェアにOEM提供された同アプリは「Voice fun mobile」の名称で、ケアプランや日課計画の参照もできるケアパレットに搭載――タブレット端末に向かって話すだけでバイタルや症状等、各種ケアの記録を残すことが可能となる。

フリック入力やキーボード入力が苦手な人でも簡単に利用できる。今回のアプリは、介護業界に特化した音声認識エンジンを使用しているため、「腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん)」、「固形物嚥下(こけいぶつえんげ)」等の専門用語も高精度で認識する。NISSEI機器テルモHRジョイントシリーズとの連携でデータ転記が容易なケアパレットにおいて、iPadやiPhoneで紙より早く、簡単、便利にどこでも記録が可能になるという。

両社は、'14年より業務提携し、「Voice fun」を提供するなど、介護・福祉現場の負担削減と業務効率化に向けた積極的な取り組みを行っていて、アドバンスト・メディアは今後も、音声認識を活用した新しいソリューションや顧客サービスの開発・提供に力を入れていく考えだ。