新型コロナ禍が猛威をふるう。その元凶であるSARS-CoV-2――プラス1本鎖RNAウイルスは宿主がいなければ生きられない。地球規模で人の移動が自由かつ高速になった現代だからこそ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は瞬く間にパンデミックになった。
COVID-19の拡大を防ぐには各人が「3密」を徹底的に避けることに加えて、人々の流れを止めることが肝要だ。RNAウイルスが容易にかつ喜んで仲間を増やしていけないよう、人々が外出を控えてしまえば、その触手みたいなタンパク質は新たな宿主の細胞に取りつけなくなる。が、どうしても動かねばならない人がいる――。
4月28日、ソフトバンクグループのAgoopは、「新型コロナウイルス拡散における人流変化の解析」の対象エリアを100ヶ所に拡大すると発表した。同社は、自治体や報道機関などでのコロナ対策の効果検証用に、全国49ヶ所の主要駅や観光地等での人の流れを解析して無償公開中。政府による緊急事態宣言の区域変更があり、今回の措置に踏み切った。
同解析は、Agoop保有のメッシュ型流動人口データ(今年元日~公開前日)を集計し、各エリアにおける1時間ごとの人流推移をグラフにしたものを、PDFファイルで閲覧できる。システム導入や複雑なツールの使用が不要で、すぐに人流変化が把握可能となる。グラフの元データは専用フォームで問い合わせればCSV形式で提供される。このたび全国2万カ所の解析準備が完了したという。
前日までの時間帯別の外出人口などを把握して、感染の拡大防止策などに活用できる。「新型コロナウイルス拡散における人流変化の解析」に掲載されていない任意のエリア・地点については、5月11日より、地方自治体・公共機関を対象に、人の流れを自動的にグラフで可視化する分析ツール「Papilio」の無償トライアルプランも提供される(申込み:同社問合せフォーム)。