新型コロナによる家電・IT機器市場への影響は

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は産業および社会インフラ、人々の暮らしに大きな試練を与えている。一方で、規制や因習により変革が進んでいなかった領域を急速に変えつつある。システムはあるのに使われていなかった"テレワーク"などはその典型例だ。

今月22日、GfK Japanは、全国の有力家電・IT機器取扱店の販売実績データ等を基にした、COVID-19の影響があらわれた2月以降における市場動向を発表した。家電量販店と総合量販店における今年3月の店頭販売金額は前年比13%減だが、ネット販売は同18%増と急伸。また、感染予防対策やテレワークに関連する家電製品の需要が急増したという。

家電小売市場において、関東・甲信越地区は縮小幅がより大きく同15%減となった。特に首都圏で初の週末外出自粛要請が出された3/23週の販売は、全国が前年比(金額)18%減であったのに対し、関東・甲信越地区は同25%減となり、その後も低調が続いた。店舗の休業や時短営業に加えて、インバウンド需要の減少が首都圏の販売縮小に影響したとみられる。

家電量販店店頭では、2月上旬にクルーズ船での集団感染が判明して以降、電子体温計の販売本数が2-3月期で前年の3.1倍――そして一時的な急伸だが2/24週では前年の7.5倍を記録した。同期間、空気清浄機の販売台数は前年比18%増で、加湿機能搭載モデルに限れば同39%増であった。ほかにも、ホットプレート・たこ焼き器、ホームベーカリー、冷蔵庫の販売台数が伸びた。

IT関連製品は、USB接続ウェブカメラの3月販売台数が前年の4.1倍。この傾向は大都市圏において顕著にみられ、3月のPC用モニタ販売台数は全国で前年比32%増となる中、関東・甲信越地区では同51%増に達した。テレワーク関連製品の需要は今後も高水準を維持するだろうという。詳細は同社のウェビナーで確認できる。