契約及びユーザー登録不要、VPN通信テレワークシステムを無償解放

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が急拡大している。日本では今も、所属組織のPCやファイルサーバーにアクセスしなければ仕事や研究ができない人が大勢いる。企業や大学は、ディスクレスのシンクライアントや、仮想プライベートネットワーク(VPN)環境などが十分整えられないでいる。

通勤通学を不要にする、本格的なテレワークシステムの導入。そのためには、ユーザー登録、契約、課金等の事務手続きに時間がかかるなど、課題解決までの時間的余裕が不足している。このような緊急時においては、即日、ユーザー登録不要で、誰でも利用可能なシンクライアント(データ格納装置を内蔵せずアプリの実行をリモートサーバー上でするシステム端末)の仕組みが必要だという。

NTT東日本情報処理推進機構(IPA)は、政府の緊急事態宣言や在宅勤務への社会的要請を受け、COVID-19拡大防止と事業継続を支援するため、契約不要・ユーザー登録不要で直ちに利用可能な、無償のシンクライアント型VPNを活用した「シン・テレワークシステム」を開発。これを今月21日より提供する。実証実験として10月31日まで開放される同システムの情報やソフトウェアは専用Webから入手できる。

サーバーアプリを職場や大学等で使っているPCに、そしてそのクライアントソフトを自宅のWindowsパソコンにインストールするだけで、VPN経由の画面転送で、仕事や研究が継続できる。同システムはNTT東日本の「フレッツ回線」に限らず、各種インターネット回線でも利用可能。NTT東日本との契約やユーザー登録は一切不要だという。

同社の新型コロナウイルス対策プロジェクト特殊局(仮設)とIPA産業サイバーセキュリティセンターのサイバー技術研究室が共同で構築し、筑波大学OPENプロジェクトKADOKAWA Connectedソフトイーサ等の連携協力により実現したものだ。