革新的な"光&無線"通信ネットワークの実現に向けて

大容量データを低遅延に伝達しながらAI制御すれば、ヒトの知覚・反射能力を超越したシステムコントロールができる。多数のAIシステムの協調により、社会規模の全体最適化や大規模シミュレーションを通じた未来予測が叶う。

また、CF(認知基盤)データハブを通じて多数のノードの間の連携が加速され、複数のAIサービスを組み合わせながら新しいAIサービスを作るようなマッシュアップ型AIサービス開発も実現され、IOWNを基盤としたSmart World時代のソーシャル・キャピタルが形成されていくという。

NTTは、IOWN構想の実現に向けて、具体的な技術ロードマップを策定し、技術開発を推進――。IOWNを構成する主要技術について、'21年よりリファレンス方式を順次実現し、IOWN GF(グローバルフォーラム)での検討を加速させるとともに、パートナー企業との有効性検証を早期に実施していくことを、今月16日に発表した。

IOWN GFホワイトペーパーで示された4つの技術的な方向に関連して、①大容量低遅延データ通信方式(Layer4/Layer3に該当する通信方式の高速化:'21年、光/無線アクセス大容量化:'23年)、②データセントリック型ICTインフラの実現('21年)、③多地点、超高速、低遅延クラウドコンピューティングの実現('21年)、④ICTインフラにおけるエネルギー効率の飛躍的向上('23年)の技術開発に取り組む。

ロードマップに従い、データセントリックコンピューティング技術、ディスアグリゲーテッドコンピューティング技術などをIOWN構想に取り込んでいくことにより、Smart World時代のナチュラルなサイバー空間の創造を加速していくという。同社は、冒頭で述べたような仕組みを支えるコンピューティングインフラの超低消費電力化による持続可能な社会の実現にも貢献していく構えだ。