業務知識をAIにてグラフ化、審査・校正・分析・応答などで活用する

国内の労働人口の減少などを背景として、多くの企業が「働き方改革」を推進するなかで、従業員一人あたりの労働生産性の向上や社内の専門家や熟練者に依存しないビジネススキルの平準化などが大きな課題になっているという。

DNPは、企業が持つ業務文書を自然言語処理AIを用いて知識グラフ化し、これを活用することで保険会社や金融機関等の加入申込審査や広告の校正・校閲、社内ナレッジの横断的な検索・分析などを可能にする「DNP業務知識活用プラットフォーム」を5月に提供開始する。同社はプロモーションや申込書等の受付、コンタクトセンター等の幅広い業務を代行していて、各業界・業種の業務に詳しい人材を強みとしている。

知識グラフ(国際的な標準化推進団体W3Cが策定)は、さまざまな言葉や概念の関係性をグラフ構造で表現したもので、横断的な検索や柔軟な質問応答、事象がルールに合致しているかの審査を実現する。DNPは大規模オープンデータから汎用的に利用できる知識グラフをあらかじめ作成し、特定業務用に個別に作られる専用知識グラフと連携することで、さまざまな業務に活用できる環境を構築する。

知識活用エンジンに含まれる高度な自然言語処理AIにより、対象業務の文書の内容をAIが解析して知識グラフを生成し、最適な業務知識を導き出すことができる。これにより、曖昧な問い合わせにも適切に回答できるほか、業務経験の浅い担当者でも専門知識が必要な業務を行え、社員のビジネススキルの平準化を期待できるという。

テキスト・音声・映像など企業のさまざまな形式のデータを管理し、個々の要件に合わせて編集・加工する業務を行ってきた。ノウハウを活かし、多様で形式の異なる情報から知識グラフを構築するサービスを提供する。同社は、上記プラットフォームにより、業界・業種の特徴に適した知識グラフを構築し、ユーザー企業の業務自動化を支援していく考えだ。