ブロックチェーン活用PKIと、IoTクラウドをAPI連携

公開鍵と秘密鍵を対にして通信を暗号化し、電子証明書で身元を保証する。PKI(公開鍵暗号基盤)は、インターネットでの情報授受を安全にする仕組みであり、企業間取引におけるデジタル署名としてだけでなく、たとえばマイナンバーの公的個人認証にも使われている。

デジタルデータの改ざんを防止する技術としては、暗号資産の管理・運用基盤に用いられているブロックチェーン(分散型台帳)も広く知られるようになった。今月14日、IBCIoTBASEは業務提携を発表。「kusabi™」と「IoTBASE Cloud」をAPI連携し、専門技術や開発環境がなくともセンサーデバイスへ高度なセキュリティ対策を実装できるサービスの提供をめざすとした。

kusabiはあらゆるモノの安全な相互通信を目指した新PKI技術を提供する。同技術はブロックチェーンが持つ論理的特性をシステム化することによって、機密性、完全性、可用性に適応。これをデバイスプロビジョニングに利用することで、ソフトウェアだけで高度なIoTセキュリティを実現する。一方、IoTBASE Cloudは、クラウド上で接続済みデバイスやアプリを選択し組み合わせるだけで、IoTシステムを実現する。

各種センサー情報を分かりやすく可視化するアプリ「IoTCanvas」がセットで提供されていて、ユーザは自社の課題にあったIoTシステムを簡単かつ低コストで導入できる。IoT採用時に直面する複雑な導入プロセスを変革し、あらゆる企業やスマートシティ化を進める自治体が容易にIoTを導入できるしくみを提供しているという。

両社は共同でIoTセキュリティ運用環境構築の実証実験を進めていて、kusabiの実行環境としてOracle Blockchain Platform Cloudを活用し、クラウド完結でスピーディなIoTデバイスセキュリティサービスの提供を目指すとのことだ。