光ネットワークを仮想化、PONのリソース管理と割当制御をおこなう

インターネットユーザーの間でいま人気の光ファイバー網を用いたFTTH。そこではPON(パッシブ光ネットワーク)という形態の、時間多重により収容局と加入者を1対多数で結ぶネットワークが構成されている。

各種センサーを使ったIoTサービス基盤や無線通信システムの開発が盛んである。日本では今春から第5世代移動通信規格(5G)の商用サービスが開始された。5Gを活用した社会課題解決への期待が高まりつつある。一方、IoTサービスにおいては、有線と無線が統合されたネットワーク上の通信サービス要求が多種多様化(超大容量化、超多数同時接続対応、超低遅延化・超高信頼化)している。

それらの要求は通信リソースを大量に消費するため、ネットワークの設備・運用コストが増大することが予想されるという。東京大学大学院情報学環の中尾研究室、OKI三菱電機は、「PONリソース管理・割当制御技術」を開発し、光アクセスネットワークの仮想化制御試験に成功した。

'17年に総務省から受託した「IoT機器増大に対応した有無線最適制御型電波有効利用基盤技術の研究開発」に取り組んでいる。その中で、仮想的なPONを構築するオーケストレータ、光アクセスシステムをPONなどのネットワーク形態に依存しない形態に抽象化して通信リソースの管理制御を行うSDNコントローラー、およびPONリソースの割当制御を行うVOLTHA/vOLT形式のPON仮想化の研究開発を行ってきた。

そして今回、「光アクセス網」部分における光アクセスシステムの通信リソースを仮想化制御するためのテストベッドを構築し、リソース割り当て試験を行い、柔軟に仮想的なPONが構築できることを実証した。3者は今後、この技術をベースとしたダイナミックな割当制御技術を開発し、他の仮想化装置との協調動作検証やIoT有線無線リソース管理制御技術のプロモーション活動を実施していくという。