超高速・大容量、低遅延、同時多数接続を特長とする「5G」は、ICT(情報通信技術)を軸とする超スマート社会の実現を加速することに加え、次世代モビリティ(移動手段)や遠隔医療等のしくみ、さまざまな産業での活用が期待されている。
今月6日、FCNTは米クアルコム社との協業により「Snapdragon™ 865 5G Modular Platform」を採用したSub-6+ミリ波対応で世界最薄(3月FCNT調べ)となる5Gスマートフォンのリファレンスデザインを開発したと発表。5Gの商用サービスやローカル5Gの導入が世界で本格化するなか、これにより低コスト開発と早期商用化を実現し、5G関連製品の開発や5G利活用サービスの提供をめざす顧客のニーズに応えるという。
RFフロントエンドとアプリケーションプロセッサ、モデムそれぞれがモジュール化された上記Platformと3次元実装を採用し、技術的難易度の高いSub-6+ミリ波対応で装置厚7.6mmを実現。薄型化と最適なアンテナ配置を両立した。二相流冷却技術「ベイパーチャンバー」も採用して、金属と樹脂のハイブリッド筐体を一体化することで装置内部全体に熱を拡散させ、高い均熱効果を生み出す――。
そこに含まれる各種要素技術は、5G時代のIoT製品や自動車、医療など幅広い産業分野への応用が可能である。クアルコムの上級副社長が「世界の5Gの急速な拡大を牽引する」と期待する、リファレンスデザインについて、FCNTは同社初の5G対応スマホ「arrows 5G」を始め、今後はスマホの枠を超え、多様な製品・分野の顧客への応用展開も積極的に検討していくという。
これまでの開発で培った無線通信技術やヘルスケア関連技術などを独自のノウハウとして価値化し事業展開している。同社は5Gを通じて社会や企業が抱える様々な課題を解決し、世界中の人々のQoL向上に貢献していく考えだ。