地域の産業や施策をスマート化、ローカル5Gシステムの実現に向けて

超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続を特長とする第5世代移動通信(5G)の商用サービスが始まった。大都市を皮切りに、それはこれまで実現できなかった様々なことに活用できる通信インフラとして、大手キャリアにより全国展開されていく。

その一方で、「地域や産業の個別のニーズに応じて柔軟に5Gシステムを構築できる」「通信事業者ではカバーしづらい地域で独自に基地局を設けられる」「他の場所の通信障害や災害などの影響も受けにくく、電波が混み合ってつながりにくくなることもほとんどない」といったメリットがあるとして、通信事業者以外のさまざまな主体が構築する『ローカル5G』の実現も期待されている(参考資料:総務省PDF)。

地域の企業や自治体等が自らシステム構築するローカル5Gを昨年末に制度化した総務省では「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」に係る提案募集などをしていて、多種多様なローカル5G基地局の設置場所・利用環境下を想定したユースケースにおけるローカル5Gの電波伝搬等に関する技術的検討の実施と、ローカル5G等を活用した地域課題解決モデルの構築が目指されている。

4月6日、FNETS富士通ケーブルメディアワイワイの3社は、ケーブルメディアワイワイがスマート工場の実現および地域課題解決の実証実験で活用するローカル5G検証システムの構築を開始する。同システムは、携帯電話事業者や地域BWA向けの無線基地局やコア設備の開発・構築、および企業・自治体向けの大規模Wi-Fiシステム構築など、多様な現場で培った無線システム構築ノウハウを活用――。

FNETS(ローカル5G例)と富士通()によりワンストップで構築され、今年10月から稼働予定である。上記検証システムを活用した工場や農地など様々な現場での実証実験を通じ、3社は、スマート工場やスマート農場、防災減災などにも取り組んでいく構えだ。