建築工事の進捗状況を皆で把握する。特に仕上工事においては、部屋ごとに作業手順を記した掲示を行い、そこへ作業終了時に進捗状況を記入することで、職長や現場監督など工事管理者が情報を収集、進捗図等を作成し、情報共有を図る方法が主流だが――
情報収集や進捗図等の作成業務、作業員との日々の調整業務に手間がかかることが課題であったという。竹中工務店は、仕上工事における現場の進捗管理をPC・モバイル端末で簡単にできるアプリ「位置プラス®進捗」を開発した。同アプリでは、作業員がスマホ等で部屋ごとの工事の進捗状況を登録する、現場での情報共有をリアルタイムにでき、元請、協力会社、作業員それぞれの手間を削減する。
職員や高所作業車の位置を探索できる「位置プラス®探」、撮影した写真の位置をデジタル図面上に自動で紐付けできる「位置プラス®写」、高所作業車の予約管理を行える「高車予約」に続く、位置プラス®シリーズ第4弾となる同アプリでは、各部屋の出入り口に設置したシートに記載された作業別2次元コードを読み取ることで、作業員が簡単に進捗状況を登録できる。
建設現場でよく使用される形式(鳥かご表、進捗図等)で、部屋ごとの工事の進捗状況をいつでも自身で確認できる。今回のアプリを仮想プロジェクト、約1万平米の新築集合住宅の内装工事に適用したところ、現場監督の進捗情報収集および作業調整の時間が大幅に減少し、業務時間が最大で約80%減となった。
アプリへの登録業務が増えるものの進捗情報収集と作業調整の時間が減少し、職長は約65%、作業員は約35%の業務時間削減が見込まれる。協力会社にも役立ち、進捗管理の効率化を実現するという。「位置プラス®進捗」を今年度中に外販する、同社はこのシリーズに様々な機能を拡充し、建設IoTを全社的に推進するとともに、建設現場で働く職員や作業員たちの業務時間削減、生産性向上に貢献していく構えだ。