投資信託の目論見書をオンデマンドで印刷するしくみ

あらゆるモノやコト、しくみのデジタル化が進んでいる。近年、金融庁が「金融デジタライゼーション戦略」を打ち出し、金融機関は同戦略の11の施策に基づき、法令遵守を鉄則として、異業種とも連携して革新的なサービスを創出したり、生産性あげる業務プロセスの変革に取り組んだりしている。

金融デジタライゼーション各施策の実施とならんで家計の安定的な資産形成の推進も求められていて、「顧客本位の業務運営の確立と定着」が問われている(参照:金融庁PDF資料)。金融機関は、投資信託の勧誘や販売をタブレット端末を用いてペーパーレス化する一方で、義務である「交付目論見書」や「運用報告書」「販売用資料」を、顧客の要望を受けて主に印刷物で提供している。

各店舗では目論見書の有効期限の確認、補充、棚卸、廃棄など人手による在庫管理負荷や旧版配布のリスクが課題となっているうえに、全体では各運用会社からのそれを一次保管する集中倉庫および配送のコストが発生しているという。キヤノンMJは、みずほ銀行NRIと共同で、「目論見書オンデマンド印刷システム」を構築した。このしくみにより、投資信託の契約手続きにおけるリスク管理と生産性の向上を両立する。

NRIの投信文書プラットフォーム「FundWeb Library」から、PCレスで簡単に複合機の操作パネル上で必要なデータを参照、検索し印刷する。「目論見書オンデマンド印刷システム」によりユーザー企業は、多種多様な目論見書データを一元管理し、最新の目論見書を必要な時に必要部数、その場で出力できる。旧版配布のリスクを防止し、倉庫から店舗への配送を不要とし、保管および配送コストの大幅な削減を実現する。

顧客の業務プロセスの変革を支援するという。キヤノンMJは、金融機関や製造業、公共・流通業向けにドキュメントソリューションを生かした新たな価値を提供するデジタルソリューションを展開していく。