採血のみによる乳がん検査の精度をAIで高めて今夏サービス開始予定

厚労省の'16年人口動態統計によると、日本人の死因は男女ともに「がん」が第1位。その対策はこの国における最重要課題のひとつであり、女性のがん罹患数で第1位、死因では5位となっている乳がんは、早期発見によって死亡率が大きく低下する――

だけでなく、手術に頼らない治療にもつながり、完治後の患者負担の軽減にも大きく貢献する。がしかし、日本国内での検診受診率は'16年時点で44.9%(国立がん研究センター統計)。先進国の中で極めて低い結果となっている。乳がん検診の受診率を高め、乳がんの早期発見を実現することは、喫緊の課題である。

今月26日、NTTデータと米国DataRobot社は、広島大学発のベンチャー企業ミルテルが提供する乳がん検査「乳がんミアテスト」のさらなる精度向上のために、エンタープライズ機械学習プラットフォーム「DataRobot」およびAI・データ活用の成功を支援する「AIサクセスプログラム」の提供を開始する。疾患の早期発見を促すため'13年に開始された「ミアテスト」は、採血だけの検査で疾患細胞から出てくる血液中の疾患特異的な因子「マイクロ RNA」を検出し、疾患のリスク判定につなげる検査だ。

これまでは手動で作成した数式ベースの予測モデルを使用して検査を行っていたという、「乳がんミアテスト」の開発に、上記プラットフォーム及びプログラムを適用することで、機械学習モデルの選定・パラメーター最適の自動化や、高度な統計的知見に基づいたデータ処理が可能になり、検査の一層の精度向上、開発スピードと作業効率の改善が達成できる。そしてこれまで以上の早期発見・診断を実現できると考えている。

より高精度な乳がん検診サービスは今夏の一般リリースを予定しているという。3社は、AI活用、その運用化およびAI人材の育成を推進することでさらなる研究開発促進と検査工程の改善、精度向上を目指していく構えだ。