テレワークの伸びとともにDaaS市場が活性化、5年間で2倍の予測

昨今さまざまな組織で推し進められている働き方改革。その動きがDaaS(デスクトップ・アズ・ア・サービス)の導入を後押ししている。DaaSを用いて自宅や出先などで業務を行う「テレワーク」の推進機運も高まっている。

モジュールアップデートが頻繁なPC・OSの集中管理、ポリシー準拠クライアントの運用、セキュリティ統制を容易にするための手段として、またアウトソースによる管理負担軽減を理由に、DaaSを導入する企業は今後も増えると推測される。これまでオンプレミスのVDIによって構築していたクライアント仮想化環境をDaaSに移行することが、金融業を中心にしながらも、業種・業態を問わず進みつつあるという。

ITRは今月24日、日本国内のDaaS市場規模推移および予測を発表した。'18年度の売上金額は184億3,000万円、前年度比14.6%増。一部のベンダーで売上げの減少が見られたものの、上位2社の伸びが市場を牽引したことが増加要因になっているとした。同市場のCAGR(年平均成長率)は'18~'23年度に17.3%、'22年度の市場規模は'18年度の2倍に拡大すると予測している。

'19年は働き方改革の推進とともに、東京五輪の開催時期の通勤対策として、在宅勤務の試験運用を実施する企業が増加した。'20年に入り新型コロナウイルス感染症の流行により、在宅勤務やWeb会議への対応が多くの企業で喫緊の課題となっている。これらの動きを受けて、BCP(業務継続性)対策手段としてユーザーを柔軟かつ迅速に拡大できるDaaSを検討する企業の増えることが予想される。

さらにマイクロソフトが参入し国内のSI/NIベンダーがパートナーとして提供を開始したことから、中堅・中小企業での導入が拡大し、同市場は一層活性化されるだろう、と同社のシニアアナリストがいう。DaaS市場の詳細はITRレポートで確認できる。