情報通信
ムスリムやヴィーガンが食べられる品を自動判定、スマホに情報提供も
訪日外国人の増加とともに、日本でもムスリム(イスラム教徒)やヴィーガン(完全菜食主義者)の食の禁忌などが知られるようになった。マレーシアやインドネシアなど、東南アジアからの旅行客が増えていて、彼彼女たちが食品の選択に困っていることも。
そこで「訪日ムスリム旅行者対応のためのアクション・プラン」(官邸/観光庁PDF資料)には礼拝環境のみならず食事環境の整備が主要施策とされている。イスラム法で許された食材や料理即ち「ハラール」対応に加えて、訪日客の増加とともにこの国でも存在感が高まっているヴィーガン即ち多様性への対応も求められる。
現在、そうした"食の禁忌"を持つ人が日本で食品を購入する場合、翻訳アプリを利用するなど、日本語で書かれた原材料名を頼りに内容を吟味する必要があるという。セブン&アイ、NTTドコモ、フードダイバーシティの3社は、今月16日に東京都内のイトーヨーカドー6店舗で、ムスリムやヴィーガンがより食品を購入しやすくなるようにする「食品判定システム」の実証実験を開始した。
客が専用アプリを使って、店舗内の商品棚をスマホ等で撮影すると、ムスリムやヴィーガンが食べても良いものかどうかについて、アプリが判断材料となる情報を提供する。例えば、ムスリムフレンドリーかつヴィーガンフレンドリーなアイテムには水色の枠が表示されたり、ムスリムとヴィーガンが口にできないと思われるアイテムには黒または灰色の枠が表示されたりする。判定対象となる商品は、「セブンプレミアム」ブランドの食品約2,900アイテム。
NTTグループのAI「corevo®」を構成するドコモの技術「商品棚画像認識エンジン」を活用した、同システムは、フードダイバーシティ提供のムスリム・ベジタリアン向け食事アプリ「HALAL GOURMET JAPAN」内で利用できる。食品判定アプリは5月31日までの実証実験期間中、無料だという。