ITシステムの統合運用管理をクライアントPCにも拡大

企業・団体の基幹業務を担うIT(情報技術)システム、そこでは'90年代にERP等への大規模投資が始まり、財務・会計や人事などを軸に効率化が進められた。が、予算やセキュリティの制約等により、システム間連携が困難な業務は、PCアプリでの処理対象として残された。

システム化から漏れ放置されてきた煩雑な処理において、昨今の「人手不足」「働き方改革」「生産性向上」を背景にRPA(ソフトウェアロボット)が導入されたとしても、その実態は個別クライアントPCで行われる作業工程の自動化のみ――。業務システムとの連携は手作業、あるいは別の仕組みを必要とする。システム監視やジョブ管理が自動化されても個別PCでの処理は対象外であり、全体の自動化に至っていないという。

NTTデータ先端技術NTT-ATは「WinActor管理機能」を共同開発。これを今月10日から提供する。同機能は統合運用管理ソフトウエア「Hinemos」と、RPAツール「WinActor」の技術連携により達成されたものであり、管理対象となるシステム台数に応じ、WinActor直接の運用管理をはじめ、複数のWinActorのシナリオや権限設定等を一括で統制管理できるしくみとの連携を可能とする。

WinActor Manager on Cloud(パブリッククラウド)やWinDirector(オンプレミス/プライベートクラウド)との連係により、大規模な導入環境への対応、ライセンス及びシナリオ等の一層高度な管理が実現できる。これまで各種業務フローを自動化していたしくみで、WinActorが自動化するデスクワーク処理も管理対象とする、Hinemosはシステム全体の統合運用管理を具現化する。

部門別の最適化・自動化に留まらず、業務全体の完全無人化を目指した運用改善を容易にするという。両社は当該機能の導入を推進し、同製品を拡販していく構えだ。