AI×IoTで製造設備やシステムの稼働監視・分析、技能の継承にも

様々なモノのデジタル化が加速し、IoTが普及しつつある。いま、ものづくり現場では、様々な場所に設置した多数のセンサーから収集したデータを可視化・分析して活用する、安全で効率的なシステム稼働を実現したり、製品品質を維持したりすることが望まれている。

そのためには一連の流れ、つまりセンサーデータの収集、蓄積、監視、分析までをシステム化する必要がある。IoTシステムに関する知識、データ分析での着眼点、IoT特有の技能などが求められ、ユーザーが自身でそのような仕組みを構築することは困難である。さらに製造業では、工場単位ないし属人的な技術情報をもとに工程が進められることが多く、熟練者の退職や人手不足によるノウハウの途絶も課題になっているという。

シーメンスは3日、NECとの協業を発表した。シーメンスのクラウド型オープンIoT・OSであるMindSphere®と、最先端AI技術群NEC the WISEのひとつ「インバリアント分析」を組み合わせた製造業向け監視・分析ソリューションを提供する。MindSphereパートナープログラムに参画するNECでは、シーメンスの技術トレーニングやサポート、共同で市場開拓するためのコンテンツが利用可能になる。

今回の協業により、上記一連の流れを顧客ニーズに応じたカスタマイズも含めて、トータルで提供することができる。シーメンスのMindSphereで現場のセンサーデータを収集・蓄積し、NECのインバリアント分析技術で監視・分析までを自動で行う。クラウドソリューションは先ず、製造業向けに販売を開始し、工場のシステムや製造ライン、プラントなどの設備やそれらの設備を用いて生産される製品へ適用していくという。

両社は、膨大なセンサーデータを容易に可視化・分析できるようにし、ユーザー企業における生産性向上や運用リスク削減、製品品質の維持、ノウハウ継承に貢献していく構えだ。