複合商業施設内にてデジタルサイネージ効果を数値化する

オフィス棟、イベントスペースや大会議場、レストランおよびショップなどからなる大規模な複合商業施設が増えている。オフィスや商業の単体施設においてさえ、案内や広告に利用するデジタルサイネージ(電子看板)を見かけることが多い。

近年、デジタルサイネージ設置の需要が高まっている一方で、設置後の効果的な活用方法や費用対効果が課題とされている。そのひとつとして、デジタルサイネージの空き枠を広告枠として販売する方法が注目されているという。LIVE BOARDと、NTTテクノクロスは、屋内デジタルサイネージにおけるインプレッション(広告視聴数)計測モデルの確立に向けた実証実験を3月9日~27日に行う。

両社の実証プロジェクトは、品川シーズンテラスの協力のもと、同社施設のアトリウム内デジタルサイネージ周辺で実施される。オフィス棟入居者、商業エリア来館者への周知を目的にデジタルサイネージの活用を進めている品川シーズンテラスは、この度の取り組みで得られた人流データをもとに、デジタルサイネージを用いた入居者、来館者への一層効果的な周知・情報提供を推進する予定だという。

実証実験では、デジタルサイネージ横に設置したカメラでデータを収集し、広告視認数を計測。一般的な来館者データを収集するピープルカウンター、両社にてそれぞれに用意した2つのカメラ映像の解析ソフトウェアを用い、各方式で計測したデータを比較、突合することで、各方式におけるデータの特徴確認、課題抽出、インプレッション計測モデルを検討する。

LIVE BOARDとNTTテクノクロスの仕組みはそれぞれプライバシー保護を徹底しつつ利便性を高めるために、デジタルサイネージコンソーシアムが策定した「センシングサイネージガイドライン」、およびIoT推進コンソーシアム・総務省・経済産業省による「カメラ画像利活用ガイドブックVer.2.0」に準拠した運用が行われる。