「国際共同治験」や、新薬承認の「世界同時申請」が主流である。製薬業界では、高品質・高速・低コストな翻訳のニーズが高まっているという。
凸版印刷は、製薬業界向け翻訳サービス『PharmaTra™』を4月に発売。「機械翻訳」と「ポストエディット」の2種類のメニューを提供する。同社の音声翻訳アプリVoiceBiz®や、ジャパリンガル®をはじめとした多言語翻訳サービスのノウハウを活用し、自動翻訳に精通したシステム開発会社マインドワード、および医薬専門の翻訳会社ASCAコーポレーションの協力のもと開発したものだという。
「製薬専門の膨大な過去訳を学習した最先端の翻訳技術による高精度機械翻訳」、「文字数・ユーザー数が無制限で使用可能な機械翻訳サービス」、「継続的な精度向上が可能」といった特長を備えていて、目的に応じて2種類のメニューを使用できる。PharmaTraの「機械翻訳サービス」は、NICTと総務省による翻訳バンク®構想の一環、大手製薬R&D Head Clubメンバー8社に提供された300万文対超のコーパスから深層学習――。
ディープラーニングAIの活用に加えて、臨床開発用語集の搭載により、製薬文書に特化した。高精度な機械翻訳サービスでは、翻訳バンク構想に賛同する製薬会社からの過去訳集約を継続的に進めることで、さらなる翻訳精度アップも実現する。一方、「ポストエディットサービス」は、医薬専門の編集者が機械翻訳文の不備を調べて正す。
機械翻訳の特性を理解したポストエディターによる校正を連携したサービスによって、高品質と短納期を実現する。フォーマット編集や過去訳管理など顧客の環境に合わせて個別に最適な翻訳フローを提案、提供することも可能だという。凸版印刷は、『PharmaTra』により、新薬開発における翻訳業務の時間短縮を具現化。業務効率化や新薬開発におけるリードタイム短縮などに貢献していく構えだ。