5G×VR、豪雨災害を8K360度映像により仮想体験・避難行動へ

地球温暖化がその一因だと言われている。様々な災害が世界中で頻発していて、日本では猛暑、台風及び集中豪雨による被害が続き、かつ大きくなっている。

自然災害が年々増加しているこの国において、重要な課題である予測的な避難行動の啓発を目的とし、富士通NTTドコモは今月5日、高速大容量の5G回線とVRを活用したバーチャル災害体験会をドコモ中国支社で実施した。広島市西新天地公共広場(通称「アリスガーデン」)に設置した8K360度カメラからの映像を5G回線を通じてライブ配信し、両社の社員10名がVRゴーグルで約80秒間のコンテンツを視聴した。

広島県とドコモによる「ひろしまサンドボックス PITCH TRIAL」の一環として行った。今回のバーチャル災害体験では、360度ライブ映像に豪雨災害を想定したCGを重ね合わせることで、災害発生時の街の変化をシミュレーション。当該VR映像を視聴しつつ画面上に文章で示された防災や避難方法を学ぶことで、参加者が防災意識を向上させることをめざしたという。

上記カメラのライブ映像を、5G回線でドコモのクラウドにアップロードし、同クラウドの配信サーバから5G経由で配信し、VRゴーグルで再生するしくみを構築。このシステムを用い、ドコモ中国支社内の5台の5Gスマホ接続VRゴーグルで同映像を同時視聴――複数端末への同時配信が可能となるかを確認した。360度映像に豪雨災害CGを重ね合わせ、その時の状況や取るべき行動を表示とナレーションで説明する視聴アプリを開発したという。

富士通は、今回の取り組みで活用した技術について、地域課題解決に向けた観光や防災での利用を見込み、リアルとバーチャルがより密接な複合現実技術へと進化させ、エッジサーバと5Gでサービスを実現する予定。ドコモは、今後も5G等の技術を活用した地域課題解決に向けたサービス、ソリューションを具現化していく考えだ。