本邦初!大腸の内視鏡画像をAI解析、病変を推測する

洋食化の影響を指摘する向きがある。大腸がんは国内がん死亡数第2位、罹患数第1位で近ごろ増加傾向にある。一方、大腸内視鏡で早期がんや腫瘍性ポリープを切除することにより、それが原因の死亡を大幅(53-68%)に減らせるとの報告がある――。

医師は大腸内視鏡検査において、病変を見落とさずに検出し、検出した病変が腫瘍性ポリープ・非腫瘍性ポリープかを的確に判別し、腫瘍性ポリープを確実に切除する必要があるという。オリンパスは、昨年3月にEndoBRAIN®――検査中に同社製の超拡大内視鏡で撮影した大腸病変をAI(人工知能)がリアルタイム解析し、腫瘍性ポリープ・非腫瘍性ポリープの可能性を数値で示す内視鏡画像診断支援ソフトウェアを発売した。

医師によるポリープの判別を補助する疾患鑑別用の同ソフトウェアに続いて今回、今年3月2日、検査中の大腸病変の見落とし防止をサポートするため開発された病変検出用内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN-EYE」を5月下旬から国内で発売予定であることを発表。これは内視鏡における病変検出用AIとして国内で初めて薬機法承認を得た製品だという。

同社の汎用大腸内視鏡(EVIS LUCERA ELITEシリーズ/ハイビジョン画質以上)による画像をディープラーニング(深層学習)型AIが解析し、検査中に病変が映っているかを推測して、病変候補を検出すると警告を発することで、医師による病変の発見を補助する。

動画から抽出した約395万枚の内視鏡画像を学習し、臨床性能試験で感度95%、特異度89%の病変検出精度を達成した「EndoBRAIN-EYE」と、すでに販売している「EndoBRAIN」により、大腸内視鏡検査における病変の検出から鑑別までの一連の工程をAIが支援するという。オリンパスは、内視鏡検査に携わる医療従事者の負担軽減を目指していく構えだ。