コンピュータービジョン/次世代2次元コードを用いて商品マッピング

人手不足、人件費の高騰、従業員の長時間労働などが深刻化している。小売業界では、実店舗における従業員の働き方変革が急務となっているうえに、スマートフォンで欲しい商品をあらかじめ調べて来店する客が増加傾向にあり、その対応も迫られている。

スマホを片手に来店した客に、欲しい商品がどこにあるのかを確認できる商品マップが提供できればその店の利便性は高まる。大多数の小売店舗ではしかし、当該システムの構築・運用負荷が大きいために、商品マッピングの実現に至っていない状況だという。NTTデータは、東急ハンズの協力のもと、スペインNavilens社のコンピュータービジョン・次世代2次元コード技術を活用した「商品マッピングサービス」の実証実験を2月28日に開始した。

東急ハンズは商品数が多い。売り場レイアウトの変更も多いため、客が商品を見つけられずに退店してしまったり、従業員が商品を探すために時間を要してしまったり――。課題があった。従来のバーコードとは違う、1度に200以上のコードをコンピューターが高速認識できる次世代2次元コード技術を活用して、各商品の棚札と棚に貼り付けたコードを従業員がモバイル端末カメラで撮影するだけで、商品マップが作成される。

客はスマホアプリで在庫の確認をしたうえで、訪れた店舗にて容易にその商品が見つけられる。サービスの実用化により、商品登録~商品マップの作成~商品検索に至るまでのプロセスで、利便性の向上および作業の省力化が見込め、新たな体験の創出が期待される。'20年度に実店舗にてこのサービスの導入を検討している、東急ハンズと共に、商品マッピングを実際の売り場環境で構築・運用していく。

新たな購買体験、従業員体験を創り上げていくという。NTTデータは、商品マッピングを超える新機能を順次拡充し、今回実証するサービスを'23年度末までに小売業界100店舗へ導入していく計画だ。