情報通信
中堅企業におけるIT投資、実態を基に産学連携プログラムを始動
現代社会においてIT(情報技術)は最も重要かつパワフルなツールである。より良い未来に向かう産業界のビジネスドライバーであり、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現する基盤技術でもある。
地球規模でサプライチェーンが築かれている今日、サイバー空間を悪用する輩は、大企業よりもセキュリティ対策の遅れている中小企業を攻撃し、同チェーンを破壊したり、そこからあらゆる取引先のシステムに侵入したりしようとしている。そのためIPAが「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」を公開しているのだが、日本で9割を占める中堅・中小企業におけるその実践と、ITリテラシーのほどは定かでない――。
2月27日、デルテクノロジーズは、今年で4度目となる「中堅企業IT投資動向調査」の分析結果を発表した。同社の顧客(従業員100名以上1000名未満) 約1,300社を対象とした同調査により、「共有」「学習」「育成」「実践」「支援」を望む傾向が判明したため、それらに対する施策を実行していく。
中堅企業でもデジタル化の流れを受けて、ITへの積極投資、BCP、バックアップ、仮想化への関心が高まっている。一方で、DXの実現に向けた「基礎的な技術要素を学ぶ勉強会」「情報共有のためのコミュニティー参画」が求められ、「学びと共有の場」が圧倒的に不足。デジタル化への投資では費用対効果、実現性の検証、スモールスタート等に課題を抱えているという。
同社は、既存ITによる業務の効率化や負荷軽減を短期的に実現する「デジタル化」でパートナー23社と協業し、9つの領域にて、パッケージ化したスモールソリューションで顧客を支援する。最新のITを活用し、ビジネスモデルを高度化して新たな価値を生み出すDXでは、奈良先端科学技術大学院大学と連携し、中長期で展開するプログラムを活用して、中堅企業のDX実装・定着化を支援していく構えだ。