神戸は六甲ケーブルカーで通学する児童らを顔認証技術にて見守る

サイバー空間とリアル空間を高度に融合し、まちをスマート化する。「スマートシティ」への取り組みは、国土交通省がその官民連携プラットフォームを発足するなどしていて、全国各地に広がりつつある。

経済発展と社会的課題の解決を両立する新時代のしくみは、人間が中心でなければならない。ゆえに、「Human×Smart」な都市づくりに挑むプロジェクト「Be Smart KOBE」を推進している。神戸市は人口減少や高齢化、エネルギー転換などの課題に対して、「海」と「山」のフィールドを用いてそれらの解決にチャレンジしているという。

NECは、同市および六甲山観光と連携し、六甲ケーブル線で通学する児童等を対象に、NECの生体認証「Bio-IDiom」の中核技術である顔認証技術を用いた見守りサービスの実証実験を3月2日から行う。多くの観光客が集う、まちに近接した自然豊かなエリア――山フィールドにおいて、児童が改札を通過する際に、あらかじめ登録した連絡先に通知が届く。セーフティ&スマートなしくみにより、保護者の不安軽減につなげる。

今回の取り組みでは、六甲山小学校の児童のうち希望者を対象に、六甲山上駅・六甲ケーブル下駅に設置された顔認証用端末にて顔認証を行う。希望者はあらかじめ所定の登録サイトに児童氏名、顔写真、通知先メールアドレスを登録する。顔写真は認証先のクラウド環境のみに保持され、認証用端末には保存されず、メール通知時にも含まれない。認証結果がメールで届くことで保護者の不安を軽減する。

自然豊かな環境の中で「さわったり・見たり・作ったり・育てたり」の体験をし、よりよい感性と個性を磨き合う学童たち。仲良く遊び、共に学び、進んで行動する子どもたちの登下校時の安全・安心に貢献するという。NECは、神戸市と連携し、引き続き先進技術の活用による社会課題の解決・地域の活性化に取り組んでいく構えだ。