車を運転する人ならおよそ誰もが「道路交通情報」の世話になっている。近頃のそれは進化していて、出かける前にスマホアプリ等で確認したり、ドライブ中に渋滞状況をほぼリアルタイムに車載システムで把握したりできるようになっていて、ドライバーと同乗者は先行きの安心や覚悟が得られる。
にしても実際に「渋滞にはまってしまう」とイライラが募る。そのため、渋滞のない毎日をつくること、さらなる渋滞回避が予測されることに多くの期待が寄せられているという。VICSセンターとJARTICが今年4月~9月、関東1都6県で「プローブ情報を活用した道路交通情報サービス」の実証実験を行う。そしてその取り組みに、パイオニアは、同社が保有する匿名加工済みプローブデータを提供することを2月27日に発表した。
同データすなわちプローブ情報には、全国約70万kmの道路における、パイオニア製カーナビゲーションの搭載車両から収集する速度や移動距離などの走行履歴データを基に、個人を特定できないように加工して生成されたリアルタイムの渋滞情報や、時期や曜日、時間ごとの渋滞傾向などの情報が含まれている。
今回の実証実験では、複数の自動車メーカーが提供するプローブ情報も用いて、道路に設置された感知器を使って生成している交通情報を補完・補強する。そうして情報提供が可能な道路を拡充する。感知器のない道路でも交通情報が配信されることにより、渋滞緩和や排出されるCO2の削減、物流の効率化が図れるうえに、災害時における安全かつスムーズな移動の実現が望める。
「プローブ情報を活用した道路交通情報サービス」は上記実証期間中、「サイバーナビ」、「楽ナビ」をはじめとする既存のVICS対応カーナビゲーションで利用可能になるという。パイオニアはこれからも同社が保有する膨大なプローブ情報を、災害対策や交通課題解決などの用途へ積極的に提供、活用していく考えだ。