リモートで超臨場ライブ体験、通信技術が日本初の標準にも制定

ICT(情報通信技術)と各種マルチメディア技術を組み合わせることにより、パブリックビューイング会場等にいる人たちと本会場にいる人たちとが、一緒に居るような感覚で双方を刺激し合い共感もする場が生まれ、超高臨場ライブ体験(ILE)ができる。

その通信方式を統一する標準が存在していなかった。超高臨場感をリアルタイムに体験するための通信技術による新たな価値創造に向け、さまざまなパートナーと共同でILEの名称でITU-T(国際電気通信連合 電気通信標準化部門)SG16にて研究課題を立ち上げて標準化に取り組み、これまでに要求条件などの基本的な事項の勧告化を推進してきたという。

NTTは今月20日、ILEに関するメディア伝送方式を定めた国際標準ITU-T H.430.4('19年11月制定)に準拠した日本初の国内標準が情報通信技術委員会(TTC)において制定されたことを公表した。一連の標準制定により、アーキテクチャ等のシステム構成が共通化され、映像、音声に加え位置などの空間情報についても、本会場側と視聴会場側の各システム間で共通のフォーマットで通信が可能となる。

映像、音声だけでは難しかった空間的位置等も含めた高い再現性を実現でき、これまで以上の臨場感をリアルタイムに体験できるようになる。それら付加情報を利用することで、位置調整などの処理を自動化することも可能となり、管理運用コストの削減が期待できる。超高臨場感ライブビューイングやセキュリティ分野における広視野角遠隔監視などのサービス向けに、超高臨場感を実現する通信技術Kirari!の研究開発を進めている。

同社は、国内外のプロスポーツリーグとの連携も進めていて、この度の"標準化"によりパートナーとの連携が加速されるだろう――。ILEシステムの活用と共に、多様な国際標準化団体、日本国内標準化団体等と連携し、上記通信技術の普及をめざしていく構えだ。