建設機械、操作習熟AIと高速シミュレータにて"自動"の開発支援

生産年齢人口の減少が続いている。日本では、ICT(情報通信技術)を駆使して生産性を上げたり、人手不足を解消したりする取り組みがあらゆる産業分野で検討され、先進的な現場では実践されてもいる。

建設業界では、国交省が推進するi-Constructionの下、ICT土工の導入が進められている。近年、自動運転技術の進展により、建設機械の自動化にも期待が寄せられているものの、特殊かつ多様な用途・環境で稼働する建機は、一般的な車両よりも挙動が複雑で操作難易度が高く、その開発において操作実験や分析に多大な労力と時間がかかり、実用的な自動化への道が阻まれていたという。

ISIDアラヤは建機の自動化開発支援サービスで業務提携し、人工知能(AI)の要素技術である深層強化学習や模倣学習を用いた同サービスの提供を今月20日に開始した。自動化に取り組む建機メーカーを対象に、機械設計分野で実績豊富なカナダCA Labs社製高速シミュレータ「Vortex Studio」のライセンス提供、導入支援に加え、熟練者の動きを自習するAIアルゴリズムの開発・実装をまとめて提供する。

自動操縦シミュレーションを可能にし、操作自動化に向けた実験と分析業務の効率化を実現する。同サービスは、機械操作の高速シミュレータVortex Studioを実行環境として、これを強化学習アルゴリズムの開発キットOpenAI Gymのインターフェースに対応させることで、深層強化学習・模倣学習のプロセスを実行可能とした。

機械学習適用テーマの選定と適用手法の策定、機械学習の実行環境設計・構築、対象機械のVortexシミュレータモデルと検証シーンデータの作成、自律エージェントの生成、およびその動作分析と実務へのフィードバック、実装の適用検討がおこなえるサービスを提供する。両社は、建設従事者の減少や技術伝承の難しさなどの解決で貢献していくという。