デジタル通貨の発行・流通・償却、プロセス自動化を検証する

暗号資産(仮想通貨)取引を支えているブロックチェーン(分散型台帳)は、その活用分野が多様化している。金融×情報技術のフィンテックはもとより、貿易事務や契約・知財管理、商店街主催の町おこしイベントなどでも使われつつある。

ブロックチェーン上の取引と親和性が高くプログラム制御が容易な決済手段のニーズが生まれてきている。それらのニーズを満たす決済処理技術を確立することにより、ブロックチェーンの特性を生かしたダイナミックプライシングやリアルタイム決済の普及を後押しすることが可能になるという。

KDDIauフィナンシャルホールディングスウェブマネーディーカレットは今月18日~28日、ブロックチェーン上に発行するデジタル通貨に関する共同検証を実施する。デジタル通貨の"発行~流通~償却"に関わる業務プロセスの一部と決済処理について、スマートコントラクト (送金・決済取引に伴う多様な処理を自動化する仕組み) を用いた技術的な検証をおこなうとともに、その実用化に向けた課題の洗い出しを行う。

今回の取り組みでは、ディーカレットが構築したブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォームを活用し、デジタル通貨の発行、流通、償却について検証する。auフィナンシャルホールディングスの子会社かつ資金移動業登録業者であるウェブマネーが、検証用デジタル通貨を発行し、発行された同通貨をKDDIが共同検証の参加者 (プロジェクト関係者) に配布する。

参加者は共同検証用に用意したカフェで、デジタル通貨を用いての決済が可能となる。カフェでの購入代金は前日よりも気温が低い場合にホット飲料の値段を下げるなどして、自動割引の有効性も合わせて実証するという。4社はこの共同検証の成果をもとに、プラットフォームの活用およびブロックチェーン上に発行するデジタル通貨の普及に向け、さまざまな検討をしていく構えだ。