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オフィスでの座りすぎを解消、AIにて共用スペースの活用も
働き方改革や健康経営(健康経営研究会登録商標)が課題となっている。日本では近年、その関連施策をオフィスに導入する企業が増加していて、そこで働く全ての人に影響力をもつ施策は、健康無関心層をも巻き込む「0次予防」効果も期待される。
オフィスでは特に、長時間座っていることによる健康への影響が指摘されていて、効果的な施策が求められているものの、オフィス施策と座りすぎの研究は欧米諸国で盛んであり、世界一座っている時間が長いといわれるこの国からの知見はなかったという。明治安田厚生事業団の体力医学研究所、オカムラ、ISIDの3社は、一昨年10月より共同で行っていたオフィス環境改善による働き方改革に関する実証実験結果を今月13日に発表した。
同実験では、ABW(Activity Based Working:従業員がその時の仕事内容に適した場所や作業席を選択できる)という新しい働き方を取り入れたオフィスリノベーションに注目。リノベーションの前後で、座りすぎの解消効果をみるとともに、定点カメラによる動画撮影と人工知能(AI)のひとつである最新のディープラーニング(深層学習)を活用した画像解析技術を用いることで、ABWの導入に伴う活用スペースの変化を検証した。
その結果、「オフィス環境改善により、座りすぎが約40分/日減少」、「座りすぎ解消に伴い、立ったり歩いたりという低強度の身体活動が24分/日増加」、「AIを用いた画像解析で、入口近くや窓際の共用席、回遊型通路の活用度増を確認」といった効果がみられた。
今後、オフィス施策による座りすぎ解消や働き方の変化が、従業員の健康や労働関連指標にも影響を及ぼすかについても検討を進めていくという。3者の研究は文部科学省"科研費"の助成を受けて実施されたものであり、今回の成果は環境と公衆衛生分野の国際学術雑誌「IJERPH」に掲載された。