濃霧の中の安全走行、5G×画像認識で実現へ

ドライバーによるステアリングやブレーキ操作を補助して危険を回避する。先進運転支援システム(ADAS)の搭載車両が増えつつあるけれど、そのしくみはいついかなる場所においても機能するわけではない。現在、豪雨や濃霧など、とくに天候による影響を受けやすいことが知られている。

そこでは大分空港と大分市方面を結ぶ主な移動手段が高速バスであり、中間点の日出JCTにて濃霧が発生――。濃霧の高速道における交通の安全確保が観光面でも大きな課題になっているという。大分県NTT Comオートバックスセブン大分交通NTTドコモ九州支社は12日に同県で、濃霧の中でも安全に走行できる運転補助システムの確立に向けた実証実験を日本で初めて(ドコモ調べ)行う。

周囲の車両や道路保安機材などを画像認識し、高速・大容量、低遅延が特長の第5世代移動通信(5G)でそれらをリアルタイムに車内ディスプレイに表示する。濃霧の中をゆく車両に搭載したカメラ(サーマルカメラ/4Kカメラ)で撮影した画像を、5Gを用いてドコモオープンイノベーションクラウド™へ送信し、同クラウドに実装したドコモの画像認識エンジンで前方を走行する車両、高速道路の白線・ガードレールを認識させる。

その結果を車両のヘッドアップディスプレイに表示することで、運転手は視界不明瞭な濃霧の中でも車線や前方の車両などを目視することができるという。今回の実証実験に先立ち、1月28日に東九州自動車道の別府IC~速見ICにて"LTE環境+高速バス"のしくみにより、濃霧中の安全走行に必要な情報をAR(拡張現実)表示されることを確認している。

そしてこの度は昭和電工ドーム大分にて、"5G+ドーム専用カート"による運転支援システムを検証する。先には5Gの商用サービス開始が控えていて、5者はこれからも社会課題解決、地域社会活性化、県民サービス向上に取り組んでいく構えだ。